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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
二十二章:この砂漠に林檎の木を植えよう

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大惨事

「……えぇ~っと」


 部屋の中に居た堪れない空気が充満する。積み上がった本の塔に囲まれるベッドの上で、伸び放題の長い髪を振り乱し、枕に顔を(うず)めて泣きじゃくるシルシラ。


 ……いや、既にそれは号泣に変化を遂げていた。


 大泣きするシルシラに、無言で視線を向けるギアネリ。

 今や、屋敷中に轟かんばかりに笑うアルパゴン。


 申し訳無さそうな視線をシルシラに向ける夢魔の娘たち。


 この状況の元となった――原因。人とのコミュニケーションを苦手とする彼女が、それを必死に隠し通そうとした内容。


 それは思春期の少女が、秘密とするに相応しい、甘酸っぱいやら、艶っぽいやら、少し倒錯しているやらの――つまびらかにされるのが可哀想なもの。


「旦はん……」ギアネリが、俺に声をかける「……お、おう」


「……ウチな。実は今日、ヴィヴィに寝る前の絵本読んでやってお腹トントン♪ ……したって、寝かしつけて、やらなあかんねん。あとのことは、あんじょう……よろしゅう頼むな?」


「はぁっ?!」俺が、素っ頓狂な声を上げた後で「どう考えてもアイツが、そんな()()な訳はねぇ!」と、突っ込みを入れようと、振り向くより早く。ギアネリは、扉を勢い良く開いて逃げ出していた。


「あ、アルパゴ……」そして悪魔も、既に居ない……。


 ベッドに近寄り、慰める様にシルシラを囲む3人の夢魔。


「今夜は……私たちが責任をもって、シルシラの御面倒を見させて頂きます。御主人は……どうか、お引き取り下さいませ」


「はい……」


 俺は彼女たちの善意に――黙って、従うしか無かった。


(こんな夜は……ネルの……おっぱいに顔を埋めて……寝よう……)

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