村正で大根を切る
俺は声を荒げて、彼女を一喝。
「……ネル。例え、お前の龍の姿が、どんなにおっかなかったとしてもだ……。俺はもう、お前のそのロケットおっぱいで、日に一度は、顔を挟んで貰わないと、正直眠れないし、毎日1回は、その先端に宿る、卑猥なぽっちりを、指先でクニクニしないと気が休まらん。それになにより、お前が……俺のために、自ら編み出してみせてくれた『変形グランド授乳プレス・ホールド』と『μ レス ばぶみクレイドル』そして『おっぱい千日殺し』に飽く、その時まで――。俺は絶対に、お前のおっぱいの前から……逃げも隠れもせん!」
「ア……アンタ……ぁ……」
目にうっすら涙まで浮かべ、俺の言葉に感じ入っている様子のネルさん。
相変わらずコイツの精神構造は……理解できんが。それを言うなら、俺も俺。
ちなみに後日、この時の俺の表情を
「凛々しさと……勇ましさときたら、本当になかった……惚れ直した瞬間だったわ」と、ネルは述会したとか……しないとか。
「やってくれるな? ネル?」俺の言葉に、しばらく考え込んで。そして――。
「ごめん……やっぱり……無理……」
やはり、申し訳なさそうに目を伏せた。
* * *
「いや、だからなんでだよ……」
一向に首を縦に振る様子を見せないネルに じれると――ネルは申し訳無さそうに、歯切れも悪く。
「アタシたちが、領域の外で本当の姿を顕にするなり……力を振るい過ぎると……世界に偏りと、大きな影響が発生しちゃうのよ……。それを抑えに抑えて……まがりなりにも、力を振るえるのは、1番上の姉のベルタと……、後はオーサのひとつ上の姉、トーヴェの2頭だけなの……。2番目の姉が昔、暴れた時なんて、数時間で大陸ひとつが、海に沈んだし……。オーサに至っては……アタシの真逆の存在が、あの子なんだけど……。龍の姿に戻るだけで、周囲のありとあらゆる生き物は――無条件に、死に絶えちゃうほどなのよ……」




