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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
二十二章:この砂漠に林檎の木を植えよう

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シルシラ

 再び悪魔を急かす声が上がる。


「あの娘たちでしたら、あのスプーン一杯で、半年程度は永らえるんじゃないですか? 今、彼女たちにお出ししましたアレは。私が、こちらに来てからチビチビ嘗めてた私物ではあるのですが……まあ、致し方ありません」


 そこまでの説明を駆け足で、済ませると――悪魔は、催促がうるさくなってきた連中を黙らせるために駆け出して行く。


「劇創作の養分となるならば~って言ってたけど、アイツ……ゲームまでやってんのか」


 悪魔が説明した内容よりも――俺には余程、そちらの方がびっくり。


(あいつが考えてる劇って……一体、なんなんだ)


 取り留めも無いことを考えていると――俺の横でネルは。面白く無さそうに、鼻をひとつ鳴らした。




 * * *




 食事を終えてシルシラと、そのお客様に あんな場所で話し込んでいた事情を尋ねるべく、応接室に呼んだものの――来ては貰えなかった。


 人と触れ合うことを苦手とする彼女に――神は何故、あのような「ギフト」とも呼べる語学の才を与えたと言うのか……。


 本当に神様って奴は、もうちょっと……。人格と能力を勘案した上で、バランス良く、全人類にパラメーターの振り分けをだな……適当が過ぎる。


 愚にもつかないことを考えつつ、シルシラの部屋へと向かう。どうせ、俺一人で訪ねたところで、引っ込み思案な彼女が、素直に扉を開けてくれるとは思えなかったことから、ギアネリに同行を頼んだ上で。


「……シルシラぁ……()るかぁ?」


 彼女がドアをノックすると、しばらくして扉は小さく開かれた。直ぐにスリッパ履きの足を隙間に突っ込むギアネリ「牡蠣(かき)が殻を開いたで……旦はん」


 なにが、起こったのか把握できず、パニックめいた反応を見せ、扉を閉めようとするシルシラ。


 けれども、魔術師の娘たちの中でも、特に運動神経が切れている彼女の細腕で、部屋に押し入ろうとする俺を止めることは、結局のところできなかった。


「お話を聞かせて頂戴な?」

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