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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
二十二章:この砂漠に林檎の木を植えよう

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コウノトリさんにも、キャベツさんにも……泣きながら聞いて回ったわよ?!

 吐き捨てる様に口にして、アブサン・グラスに渡されたスプーンを指で弾いて落し、白く濁った液体を一気にあおった。


「ぶぅ、ふうぅぅうぅ~~~っ!!」(相変わらず……美人、台無しだぞ? それ)


「夢魔って……あれか? サキュバスとか言う類の奴か?」

「そうよ」


 俺の物問いに、相も変わらない仏頂面。


「……でも、年がら年中『繁殖、繁殖』、『赤ちゃん、赤ちゃん』って言ってる、お前からしたら……むしろ好意的に捉えそうなものじゃないのか? そういう存在って」 


 こいつの思考回路が、理解できないのは、今に始まった事では無いが、その辺りが少し……引っ掛かる。


 悪魔から「どうぞ」と差し出された、丸のままの炙ったスルメをひったくると、ネルは


「あ、アタシもね……200年前までは、そう思っていたわよ」

「200年前?」


 生まれ変わる以前の俺が、死んだ時期に何かあったのだろうか……。

 ネルは怒りに震えつつ、言葉を続ける。


「コイツら……ってね、オスの子種を集めて……それをインキュバスに手渡して、アチコチのメスのお腹にばら撒く、悪戯をやらかすのよ……。ピ、ピンク・フラミンゴか……。」


 そのネルの話が、耳に届いたのか「い、……嫌っ」と、リュシルが青い顔で短く声を上げる。


「……お、お陰でね、アタシは死んだアンタの……生まれ変わり先を……必死に探して回っていたってのに……その『出生ロンダリング・ゲーム』のお陰で、アンタを探して200年も泣き続ける羽目になったのよ。アタシたち姉妹、6頭……全てが集まることが……どれだけ……どれだけ大変な事か……」


 そこまで口にすると、手にしていたスルメを夕食前にもかかわらず、大型肉食獣の捕食シーンの様に、迫力満点に喰らいつき――引き千切る。


(……あ、なんか此れは……)


 迂闊に触れると後々、面倒臭い問題になる奴だ……と思った。ネルの刺すような視線に晒され続け、縮こまるサキュバスであるらしい3人。

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