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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
二十二章:この砂漠に林檎の木を植えよう

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路地裏会議

「――『竜』では無く、そこは『龍』な? 間違えて使ったりすると、アイツも義妹(いもうと)たちも、機嫌を悪くするから……気をつけてな?」


 俺に背を向ける形で、小道で話し込んでいたシルシラが、驚いた様子で振り返り、口をパクパクさせた後で――顔を真っ青に染め、細い小道で逃げ道を探して狼狽える。


 ここで逃げ出されても、じきに夕食時。俺は兎も角――シルシラが、夕食を摂りに現れないとなると、ネルを初めとして、気を揉む人間も1人や2人では無い。


 彼女の手を握ると、話し相手を務めていたらしい――襤褸(ボロ)と見紛う、巡礼者が身に纏う服のフードを目深に被って、小道にへたり込んでいた、3人に知覚をフォーカス。


(女の子?)


 シルシラが話していた相手が女の子だからと言って、別に特に不思議は無い……が?。何故か俺は、その3人に違和感の様なものを感じ取っていた。


 ごくりっ


 大通りから、入り込んだ小道。屋外にもかかわらず――巡礼服の3人が、喉を鳴らす大きな音。


 着の身、着のままの巡礼者の恰好をした女性の様に見えた。腹でも空かせているに違いないと考え、指輪から陶片を呼び出すと、今から3人の客を連れて帰ることを伝えて、彼女たちを我が家へと、招待することにした。




 * * *




「ただいま……」


 屋敷に帰るとネルが、自慢のロケットおっぱいを強調するディアンドル姿で、眉を怒らせ――足音を高らかに鳴らして、地下の『門』まで出迎えに来てくれた。いや違う。


 そんな、ほんわかとした……帰って来た伴侶を出迎えてくれる様な雰囲気では無かった。


 迎撃――そう、自身の縄張りを犯す、外敵を追い払う、そんな表現が ぴったりかも知れない。


 ネルが見せる剣幕が理解できない俺を、彼女は一瞥もせずに通り過ぎ――俺の後ろに続く、シルシラのさらに後ろ。巡礼服のお客さんに詰め寄ると、そのフードを無遠慮にむんずと引っ掴む。

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