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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
三章:うろくづの森

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時間が無さ過ぎる

 そんなことを、ツォンカパに聞き返されたりもしたようにも思うが――俺の頭は、既に全く別のことを考えることで忙しかった。


 つまりオークたちの中で、矢を作る職人が居なくなり、そして弓は彼らの――もののぐの内で、その重要度を(しっ)したのだ。道理で今まで、ありとあらゆる武具の扱いを叩き込まれたにもかかわらず、飛び道具らしきものといえば、投擲(とうてき)する物に限られ、弓の扱いだけは教えられることが無かった訳だ。技術の伝承が(つい)える時ってのは――大体、こんな感じなのだろう。大学の講義で聞いた、鉄砲が弓矢に置き()わり、広まった理由のひとつも、確かそんな感じだったことを思い出していた。消耗する矢の生産までの一部始終を、職人の手作業に頼らざるを得なかった弓矢は、その運用に、べらぼうな労力を支払わされることから、(すた)れていったのだと。


「……ツォンカパ。次の新月まで、何日ある?」


 いつも夕刻に開始される稽古の場。話し込んでいたお陰で日は、とっぷりと暮れ、森の木々の隙間から、星が覗き、月が昇り始めていた。


「あと、4日だ」ツォンカパは、大きく欠け始めた月を見上げる。


「……なにか、手立てを考えてみるよ」




 * * *




 帰り路。必死に考え続けた。襲って来るワーグの数と、動きが素早いと聞く相手のことを考えると……俺が先に考えた樹上から矢を射かける戦術を選択し、実行に移すなら……。


 ――無駄撃ちも考えれば、相当な数の矢が、必要になる。


 ばぁん! と爆発して、四方八方に破片を不規則に撒き散らす、爆発物でも造ることができるなら、それが一番良いように思えたが……当然、俺に


 そんな知識など、あろうハズも無く――。

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