表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
三章:うろくづの森

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

70/1638

オークの生存戦略

「で、でもまぁ? 所詮は獣な訳だし? 人間も自分の力より強い生き物は、沢山いる訳だけど、居住圏は比較的大きな訳だし?(いや、この世界のことに関しては、良く分からんが)どーにかする方法もあ――」


「もはや、オークの習わし通りにするより他、無し」


(……そ、そこまで?)


 ツォンカパの言う「もはや、オークの習わし通りにするより他、無し」が、なにを意味するのかは聞かされていた。年老いたオーク、不具の者、病の者以外を逃し、残る全てのオークが死兵として、部族の命脈を繋ぐため、最後まで戦うことを意味していた。口減らしまでを兼ねた、オークが、最後に選択する冷徹過ぎる生存戦略。


(……当然、老齢のツォンカパも)

 

「さて……これで。お前に対する、義理は通したハズだ。あまり時も無い。戦いの備えをせねばならん」


 ゆっくりと、傍らのオークが重たそうに腰を上げる。


「……ちょっと待て」


「まだ、何かあるのかツモイよ」


「そのワーグとやらが、襲い掛かって来る時ってのは、何か……決まった条件とか、あるのか? あと数は?」


「……珍しいこともあるものだ。お前が、そこまで戦いに興味を示すとは。この手の事が、嫌いなのだとばかり思っていただけに……少し嬉しいぞ」


(そう思うんだったら、そんな俺をつかまえて、稽古とは名ばかりの拷問にかけないで頂けませんかね……)


「いいから……話せって」


「ワーグ共の数は、40~60ほどだ。やって来るのは、大抵決まって月の見えない新月の夜だ。暗闇を見通す我らオークに、夜の闇は関係無いが、奴らの狩りにおける(なら)(しょう)が、そうさせるのだろう……恐らく奴らもこれまでの襲撃で、我らの呼吸と間合いを計り終えたハズ。次の新月には、我らを根絶やしにすべく、襲い掛かってこよう」


(40~60頭? この森で育ったことで、余所(よそ)のオークより身体も大きい、力も強いツォンカパたち以上に、力の強い獣が? 明りも差さない夜の森を、俊敏に動き回って襲ってくる? おまけに人間並みに知恵が働く?)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ