賢者モード
プレイの一環と言うか、延長と言うか……流れ的に? 度々、ネルと一緒に汗を流すべく風呂に入りはしたが、思い返してみれば それだけだ。あれほど2人激しくもつれ合い、求めあったのに……。命を落とさないにしても衰弱するなり、疲労感に襲われるなりは、あってしかるべきのハズ)
「……なぁに? そんな、つまらないことが疑問だったの?」
「もうイイから……。ちょっとだけ、黙っていて貰えませんかね? ネルさん。お願いですから……」
「どーでもイイことじゃない、そんなこと……。って、いうかアンタ、必死に むしゃぶりついて、一生懸命吸ってたじゃない。アタシのおっぱい」
(まともな成人男子の消費カロリーと水分補給が、その程度のもので賄えるものかよ)
「……そ、その程度? その程度って思ったの? 今、その程度のもの……って」
「だからなんで、お前は……俺の頭の中を読み漁ってんですかね? エスパーか、なにかなのか? それとも俺の頭の上に、漫画みたいに吹き出しでも出てんのか?」
「折角つがいのアタシが……遥々、こんな所まで訪ねて来てあげたって言うのに……」
「はい。その節は大変……身に余る、お心遣いを賜りまして恐悦至極にございます」
「……生命を司る……ぶつぶつぶつ。アタシのおっぱいに……あんな嬉しそうに、吸いついてたくせに『その程度』呼ばわりとか信じられない……」
自尊心を傷つけられたのか、湧き上がる怒りに少し、ピクピクしておられる ご様子のネルさん。
「……しかし。なんだ……」この数日で、初めて目にした彼女の表情に、頬が緩む「なんか……こう。今迄、余裕垂れ流してた、お前が……そんな感情的になるとか……。ちょっと……新鮮」
「話……はぐらかそうったって、騙されないわよ」