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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
二十章:既に平穏は望めない

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逃げられないんでしょ? ……知ってる

「どうしたの? 春夏秋冬(ひととせ)くん?」


 訪れた理由を聞く教授。


 覚悟を決めて――昨日の講義でのことをお詫びして、店長に持たされた1本のワインを差し出す。

 

 少し、戸惑った様子で「こんなこと……してくれなくても、良いのに……」と、言って下さった教授は、俺から受け取ったワインのラベルを見るや「こんな高い物……受け取れないよ」


 価値も分からない俺が、これを持っていても意味も無い。隠し持っていた所でネルに嗅ぎつけられて、飲まれてしまうのは目に見えてる。


 ご笑納戴くべく、頭を繰り返し下げ続けると「……じゃあ、これは……僕が最後の晩餐を迎える日にでも……とっておきの1本として、開けさせて貰っちゃおうかな?」観念したように、教授はそんなことを口にし、笑ってくれた。




 * * * 




 挨拶して退室すると俺は、緊張感から解放されたことで、壁にこびりついて、ズリ落ちる何かの様に、崩れ落ちていた。


 ――自業自得でしかないにしても。くたびれ果てた俺は、研究室を出た後。昨夜、店長が、しばらくバイトを休んでいいと言ってくれたことを思い出して、今日は早々(はやばや)と大学も切り上げ、アパートで自堕落に過ごそうかなどと、考えていた(久しぶりに誰かと、麻雀も……良いかも知れない)。


 キャンパスの正門へと向かっていると、何かを遠巻きに囲む、学生たちの姿が目に留まる。何事かと思いはしたが、黒山(くろやま)人集(ひとだか)りに囲まれて、その中心は見ることはできない。


 特にそれに興味があった訳でも無かったが――トーヴェに貰った、大気の流れから周囲を把握する知覚を無意識にONにしようとした、そんな時。


「あ♪ 来た来た。アンタぁーっ♡」

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