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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
二十章:既に平穏は望めない

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……出掛けるか 【Picture】

 俺が現世と勝手に呼ぶ、こちらの世界。それまで、俺が暮らしていた世界。こちらの時間で、ほんの少し前。成り行き上、一軒家を手に入れた訳だが、そちらには向かわず、気が付けば住み慣れたこのアパートに戻っていた。


 アパートを引き払わずにいた理由にも、仕方が無い理由がある。


 家賃の一部を支払ってくれていた実家に、なんと説明すれば良いのか、考えつかなかったと言うのもあったが、仮にその説明を成し得たとして「どこに住むの?」と、聞かれた際に、まさか一軒家を買った……などと、一介の学生の分を超えたことを説明する訳にもいかない。


 これに対しては、申し訳無いものを感じるものの――実家への説明は、不可能と考え、棚上げを決め込むことにした……次第。


(……それに)


 こちらの世界を出てから、まだ1ヶ月も経ってはいない訳だが、短い時間とは言え、一緒に暮らしたネルの香りが、かすかに残る――この部屋。


 この部屋を引き払うと言うのは、なんだか躊躇われた。


「ままのこと、ぱぱ大好きなのにねぇ?」


 見透かしたようにトキノが、そんなことを口にする。


 ノートPCのカメラに、なにか新しいセンサーでも組み込んでみせたのか? と有り得ないことを一瞬、考えてはみたが――当然、あるハズも無く。


 別にトキノが、俺の胸中をセンサーの類で解析してみせた訳では無いのだと、理解し、安堵すると――俺は狭い部屋の壁に、もたれかかるように腰掛けていたベッドから立ち上がり、財布とスマホを握り締めた。


 すかさずノートPCの終了処理を行い、スマホに移るトキノ。


「ぱぱ、お出かけ?」


挿絵(By みてみん)


 久しぶりに、こちらの生活を静かに送りたかったと言うのが、正直な所ではあるけれど、彼女くらいであれば……特に、そう面倒事も無いに違い無い。

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