表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
二十章:既に平穏は望めない

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

682/1638

贔屓目に言って、怒っているんです!

 冗談じゃない。俺はネルに腹を立てている……多分。きっと。それをアイツが理解するまで、顔を見せてやるつもりは……無い。


 自分でも良く分からない、この心境を他人には理解しろと言う――理不尽を押し通そうとする幼稚な俺。


 ……分かってる。


 ネルの奴が一向に、俺の心情を理解してくれないことに対して、気色の悪いことに――乙女メンタル全開で、不貞腐れているだけなのだ。


 俺にもプライドの様なものが、あったらしい(つい最近知った。あとついでに、俺の精神の片隅に、乙女さながらの感性が存在したことにも驚きだ)。


 そう簡単に考えを曲げるつもりもない。


「そもそもがだ。長いこと連れ添った俺に対して、屋敷の娘共を誰彼構わず当てがって――種を播け、種を播け、子を作れ? ……人を田植え機か……なにかと考えてるのか、あのバカは! ……ふざけるなよ」


 怒りに震え、気づけば手にしたフリー・ペーパーに皺が寄るほど、握りしめていた。


「……田植え機」ノートPCのカメラとマイク越しに、俺との会話を成立させているトキノが、画面の中で顔を赤らめて――目を泳がせる「なんだか……表現が、えっちっち……だね……ぱぱ……」


 言われて想像してみれば、思い浮かんだのは――中学の体育でやらされた気もする、手押し車を俺とネルが、全身タイツ姿で行っているイメージ。


「……う~ん」ディスプレイの中で宙を見上げ、何かを考えるトキノ「ぱぱが……ままのなにを怒ってるのは……分かったけど……」


(分かってくれるか?! トキノ!)


 大して面白くも無い、フリー・ペーパーを放り出し、心強い理解者が現れたことに対して、喜びの声を上げようとしたところ――。


「……でも、ぱぱぁ? それで、ままと顔を合わせないために、このアパートに帰って来たんだったら、意味が無いんじゃないかなぁ……。ここで何日、過ごしても……あっちじゃ……時間、経たないんだよ?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ