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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
十九章:真面目過ぎる彼女

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ヴィルマ、レトルト・カレーに号泣

 大人数を賄う料理を作ると言うのは、それなりの難しさを伴う。不思議なほど、料理に関しては、天性のセンスめいたものを見せるネル以外に、この仕事をこなせる人間は、屋敷には他に居なかった。 


 勿論、時間さえあれば人海で、どうにかしてしまうことも可能ではあるのだが……。


「スシじゃと言ったのに……スシじゃと言ったのに……わしは、わしは……カリフォルニアか、サーモンか、アボガドとシュリンプを……食べてみたかったのじゃ……ああ、コンビーフ……コンビーフも捨てがたいのじゃ……」


 未練たらたらに――ヴィルマが寿司屋の出前で注文しようものなら即、電話を切られそうなネタを口惜し気に並べ上げる。


「に、に、に……にぃたま……じ、じ、じかん……」


 この屋敷の一体、どこにあったのかは不明な、小学校の給食係が着るスモックに、三角巾を頭に被ったトーヴェが、死んだムーミン・トロールの眼で鍋を見つめ、時間を報せる。


 先日、屋敷に雪崩れ込んだ、狼藉者たちは「コレ」を食料だとは理解できなかったらしい。お陰で俺たちは今夜、ひもじい思いだけはしなくて済む訳だが。温め終えたパウチを(ざる)に上げ、湯を切ると、そのひとつひとつの中身を、我が家のおチビさんたち用に甘口だけは別にして、鍋に再び移し――辛さとチャツネを足して、食堂に運び込んだ。




 * * *




「こ、この……煮込み料理の様なものは……まさか……香辛料、そのものを……スープで伸ばした物なんです……の?」


 そう言えば、バイト先の店長も言ってたっけか? フランス人は、兎に角辛い物に弱いらしく、辛い料理は「ひとつの宗教と100のソースがある」と嘯く国であるにもかかわらず、たった一つの辛いソースを使った古典料理以外、お目にかかる機会が、ほとんど無いのだとか……なんとか……。

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