全然休めそうにないインターバル
日本人が千年かけて生み出した必殺技、土下座スペシャルを御覧にいれた上で「犬の様に靴を舐めなさい」と言われたりしたなら、オプション料サービスで、ぺろぺろしちゃう。
もぉ~駅前で、靴磨いてくれる人たちが――この道、数十年の仕事と見間違うほどの丁寧なサービスをお約束する。
させて戴く。ぴっかぴかだぞ? お靴……ぴっかぴかにして、あげちゃうぞ?。
彼女の槍が砕けるより早く、木っ端微塵に砕け散る俺の人としてのプライドらしきもの。自分にプライドなんて言うものが、存在したことを確認させられた……そのことにも、まぁ驚くが。
渦巻く様々な感情を抱え込んだまま、3度の出走を終え、審判による槍のチェックを兼ねたインターバルが挟まれた。
* * *
「やっぱり、ウンコは野外だよね」などと、戯言を残して――森の中に入って行き、いっそリボルバーの音が聞こえなくなる遠距離から、彼女が1本しか使えない、その馬上槍を狙撃してしまおうかなどと、考え始めていたところ。
陣中見舞いなどと言う空気を、まるで感じさせもしないオークの娘たちが、愉し気な様子でやって来た。
(頼む……頼むから……今、俺……余裕なんて無いの……頼むから……時間一杯、呆けさせて……)
「いやぁ~♪ ツモイよぉ♬ これ闘諍なんだよな? デズデモーナの奴、イイ根性してるじゃねぇか。気に入ったゼ」
(……気に入った途端、名前覚えるのな……)
こう言うことに対してはオークの血が騒ぐのか、上機嫌の3人。
「お飲み物……お持ちしましたが、お飲みになられますか?」
セコンドらしいことをしてくれるのはスキュデリ――のみ。
(……あとのお前ら2人は、マジで帰って?)




