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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
十九章:真面目過ぎる彼女

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我レ、デズデモーナ ト 激突ス

 「浮気者!」とネルになじって貰えると言うのなら、迷う余地は無いと言うのに?。


 ところがどっこい。ネルの奴に目を向けて見れば――早くも、俺とデズデモーナの間に生まれる赤ん坊を想像して、にやにやにやにやと、浮かれた表情を絶やさずに、そばに立っていたメイドさんたちを捕まえて、素面(しらふ)とは思えない絡み様で、絡みに絡んで――生まれた赤ちゃんの世話をいかに、自分が熱心に担当するか? どんな風に一緒に遊んで貰うか? そのことを嬉しそうに嬉しそうに、話して聞かせてまわっている始末。


(どーしよう……これ、ほんと……どうしよう……なんだか、考える余地も無い気もして来るけれど……どーしよう……)


 考えも何もまとまらない状況であるにもかかわらず――審判、アルシェノエルの声によって、この馬上槍試合の開始の合図が下されてしまった(は、始まっちまったぞ?!)




 * * *




 最初の合図と同時にデズデモーナは迷いも見せずに馬を走らせ――槍を構えて、俺に向かって来た。槍を彼女の身体に当てる訳にはいかない俺は、出走して直ぐに槍の穂先を上に向け、胸のブートニエールを盾で庇って彼女とのすれ違いに備える。


 その様子にどうなるのかと固唾を呑み込み見守っていた面々は、極々一部を除いてホッと安堵した空気を漂わせる(俺が、血も涙も無い男に見えるのか、お前らは?!)。


 彼女の勝利条件は、俺の甲冑の胸に取り付けられた、広げた手の平よりは小さい、白い造花を槍で貫いて落とすこと。


 俺は、それさえ防げばイイ。盾に比べれば、ひと回りも、ふた回りも小さなブートニエール。盾で隠して、彼女の槍を防ぐのは、そう難しくは無い。


 そうしている内に、幾度かアタックを繰り返す内に、彼女の1本しかない槍が、俺の甲冑か盾のどこかに当たって砕けるかも知れない。そうすれば、なにひとつ問題も無く、この心底、困り果ててしまう決闘騒動も鎮火に向かうに違いない。そう願いたい……。

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