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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
十九章:真面目過ぎる彼女

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敵は、熱い内に討て

 こんな自殺まがいの生身で、試合に臨もうなどと言った輩も居なかったことから、その辺りは完全に自己責任として、これまで明文化する必要も無かったのだろう。


「決闘開始の合図を」


 デズデモーナに促されるも、普段怜悧な物言いで、冷静な判断をいつも下すアルシェノエルが、珍しく躊躇う様子を見せていた。共に苦楽を共にした仲間が、自殺同然の条件で決闘に挑もうと言うのだ。彼女たちの死生観をおいても仕方無い。彼女の様子に苛立つかのような声を上げるデズデモーナ。


「アルシェノエル……フィオレンツァ……バルテルス……ガルムステッド……公爵家令嬢……貴女まで、……貴族として生まれた私の矜持を踏みにじると言うのですか!?」


 その声の迫力に――アルシェノエルのみならず、周りに集まった多くの人間が肩を竦ませた。……勿論、チキンな……俺も。


 声に押され、腹を決めたのか。アルシェノエルは、決闘の開始を宣言した。




 * * *




 決闘は、屋敷に沿って庭との垣根として植えられた、馬の膝くらいの高さに茂る、丈の短い植え込みを――車道中央の分離帯の役割を成す、柵に見立てることで開始される運びとなった。


(……別に。慌てて決闘なんてしないでもさ? ……頑丈で立派な馬上槍試合の場ができるまで俺は、何年でも待つよ? 10年でも20年でも待っちゃうよ? その間に気が変わることもあるかも知れない訳だしさ……いっそ、こちらの世界のさ? 有名建築家様をお呼びしてさ? 作っちゃおうよ、試合会場を。資金の調達から始めるから、更に長くかかっちゃうかもだけど……いいぞぉ~? これ)


 つまりはそう言うことなのだろう。この拙速過ぎる決闘までの期間の短さは。


 決闘に臨む人間の心変わりや、逃亡を防ぐためのものなのだ……。

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