非難囂々
詰め寄る彼女たちは、殺気立っていた。……ごく一部を除いて。
「なんや……扉開いてもーたで……。ほなら、にぎやかしの役目もこれまでやな。か~えろっ♪」
(ヴィヴィ……お前、その内〆てやるからな)
* * *
俺が提示した決闘内容が、あまりにもデズデモーナの……貴族の名誉の回復には、ほど遠い内容からか、それとも――俺が彼女を、馬鹿にでもしているかの様に皆には映ったのか。
やって来た女共は、興奮した様子で俺を取り囲み、決闘内容の変更を迫ってきた。
(女たちって……原始時代の狩猟主体の文明の名残りからか、集団になると妙な連帯感発揮して、団結力凄いよなぁ……同調圧力に抵抗無く順応するというか……。小学校の頃、なにかが原因で、槍玉に上げられた時のことを思い出しますわぁ~。なんだったっけなぁ? あれ……)。
「あっ!? みんな待って! 旦那様のお顔が……これ聞いてない時の顔っ!!」
一気に静まり返り――怒りに満ち満ちた視線を俺に向ける女たち。
(現実逃避すら……許されないのか?!)
「覚悟を……お決めになられる他、無いんじゃないですかねぇ~」
雪崩れ込んで来た女たちに突き飛ばされた悪魔が、服の埃を叩いて立ち上がる。そして、嬉しそうな声で――。
「御主人様? こちらにお集まりになられました、お嬢様方の要求を……皆様が御納得頂ける形で、お呑みになられるくらいしか、丸く収める方法は無いんじゃないですか? ……そうですね……。御主人様の方に、多少の手心でも頂くことにして、デズデモーナお嬢様と馬上槍で……一騎打ちなど、いかがです? これならば皆様からの不満も上がらないんじゃないでしょうか?」




