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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
十九章:真面目過ぎる彼女

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風呂上がりの一杯……心臓破れそう

 なんとも言えなくなる、重たい言葉を耳にして、呆然としていると、目の前の吊り目は――気にする様子も見せず。


「そうだぜ? 1番上の兄貴……いや、2番目の兄貴……だったか? どっちか……くたばったって話だったよなぁ……どっちだっけか……う~ん。まぁ、イイか。兎に角、どっちかくたばってんのは間違いねぇしな♪」


 キンキンに凍り付いた大ジョッキに、お気に入りのレッドブルを並々と注いで、一息に飲み干しにかかる。


「……お、お前。大丈夫……なのか?」


 一気に空いたジョッキに驚いて、身体なりを? 心配すると――俺の言葉の意味が理解できないと言った顔で


「なにが?」


 きょとんとして聞き返して来る始末。


(……そうだね。お前ら、そう言う生き物なんだものね)


「なんに……せよだ。ツモイ。あんたはな? あの貴族の娘の……え~っと……デズデモーナか(一緒に暮らしてるんだから、いい加減覚えろよ……)、あいつの何に頭悩ませてんのかは、知らねぇけどな? いちいち細けぇんだよ」


「お前の親父みたいなこと言ってんじゃねぇよ。俺は、そんな風に割り切れないんだっつーの」


 グラスに注いだウーロン茶に口を付けると、今度はウルリーカが信じられないものを見る目を向けた。


「……なぁ。それ……美味いのかよ?」

「え? まぁ……ふつー?」


 飲み慣れた味としか答えようも無い。そんな俺の返事を聞かされた彼女は「森の落ち葉が浸かった水溜まりの水みたいなもんが美味いとか、理解できねぇ……」舌を出して顔を背ける。


 やはり、こちらの世界、シルウェストリスでは、日本で生まれ育った俺の価値観と言うものは――なにひとつとして、通用しないものなのかも知れない。

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