表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
三章:うろくづの森

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

64/1638

デンジャラス・トレーニング

「まぁ、でも? アンタが暮らしてた世界では、100年以上前にレンネットは合成されて、普通に流通してるみたいだし? そこまでグロくもないんだけどね」


「なんだよ、それ」ネルのつけたオチに笑って、文句を垂れる「だけど、なんだろな? その黒い獣って……。ツォンカパも、なんだか様子が少し変だったし……」


「ツォンカパさんが?」


「おかしなことに今日は、何ひとつメニューも言わずに帰って行ったんだわ……。いつもならオーバーワーク? なにそれ? って、くらいハードワーク押し付けて来るのに」


「ふ~ん。珍しいこともあるものね」


「ひょっとして、そろそろ歳でボケたとかだったりな」


 我ながら、不謹慎なことを軽々しく口にしたもの。

 

「でも、ツォンカパさんがボケたとなると……。アンタの身が、一番に危ないんじゃない? 分別無く暴れ始めでもしたら大変でしょ? ブレーキが壊れたダンプと変わらない気がするわよ?」


「……………………」


 久方ぶりにネルの一言に、凍りつかされた瞬間。




 * * *




 先日まで作らされた土堤は、なんだったのかと問い詰めたかったが、期待した投擲の練習は、無期延期とばかりに、お預けされてしまった上で――急遽、その日の稽古は長剣の稽古に変更されてしまった。


 ……グッバイ。痛くも辛くもない稽古。


 理由なんて気分? と言った程度のモノかも知れなかったが、腹を立てて食ってかかりたい所ではあったものの、このオークの様子がおかしいのは、明らかで──


 そんな様子の、ツォンカパにどう接すれば良いものかは少々、悩ましかった。


 ──刃引きもされていない長剣での稽古。


 剣はかつて、ツォンカパの先祖が、部族間紛争で、戦利品として巻き上げたものだと耳にしていた。


 オークのために実用本位で造られ、剣身にはハンマーで鍛えた際に付いた、鎚目(つちめ)がそのまま残っているような──無駄な装飾など一切存在しない、無骨で肉厚の剣。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ