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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
十九章:真面目過ぎる彼女

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そして、俺たちはパンツと言う尊い犠牲を払った

 屋敷は散々なまでに、荒らされ放題に荒らされていたかと言うと……そうでもなかった。


 こちらの世界では、高価な物とされるガラス窓や磁器などの調度類のお陰で、屋敷をできる限り荒らすこと無く、売り払おうとでも考えたのか――統制の良く取れた連中の仕事ぶりが伺えた。


 被害が見られたのはせいぜいが、ネルの酒蔵に――保存食。と言った程度の物。俺が世話を続けて来た大事なチーズたちは、有栖川さんが手配してくれた、貸し冷蔵コンテナに運び入れられ、今日にでも持って来てくれる手筈になっている。


 ――チーズたちよ。怖い思いをさせて……ごめんよ。また、しっかり世話してやるからな……。


 その他には、こまごまとしたカトラリーや、女共の下着類が少数、略奪にあっていたが、これらはトーヴェの支配下におかれたままの連中から、丁寧に丁寧に、下着類を除き、全て吐き出させた。下着類を、そのまま彼らにお持ち帰り頂くことにしたのは――そのなんだ……。


 返して頂いても、元の持ち主の皆も困ることだろうし、それを略奪品とした彼らの気持ちと言うのもまぁ……。分からないでも無い。なにせ俺も男の子を長いこと続けている。武士の情け(?)と言う奴だ。痛ましいし……見てみないフリをしてあげちゃう。


 ネルの下着が、よその誰かの目に曝されると言うのは抵抗が無いでは、無かったが――それらは戦利品として記念に、お持ち帰り戴くことを許すことにした。


 パンツたちは……尊い犠牲になったのだ……。


「私の影たちに方々(ほうぼう)、確認させてみましたが、被害は以上のようですね。ご主人様」


 部屋で報告を受けていると、扉を叩く音。


 悪魔が扉を開くと、やって来たのはデズデモーナと、彼女の槍試合のチームメイトの仲間たち。それとあの時、屋敷から逃げ遅れたメイドさん数名。


(団体さんでいらしたよ……弱った……)

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