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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
十九章:真面目過ぎる彼女

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小心者なんです……ビビちゃってます

「……ほら、デズデモーナ……強制労働……」敗者が、カードのシャッフルを担当するシステムらしい。投げやり気味に返事を返し、あまり慣れた手つきとは言い難いカード捌きで、シャッフルを担当する伯爵家令嬢様。


「今度は……どうするのぉ? 今のと同じ? もう、やぁよ? なんだか……この顔ぶれで、勝てる気しないんだもの」


 愚痴をこぼして、雑なシャッフルを繰り返す彼女に――1位で勝ち抜けたと言う、リュシルが提案したゲームは、陶片の相棒に教わったと言うポーカー。


(ど、どどど……どうしよう。彼女たちが……本気で俺の生活費とか……巻き上げに掛かって来るつもり……だったりしたら)


 駅のゴミ箱なんかで良く見かけた、オジサン用の漫画なんかで……良くある展開とかじゃないだろうな……コレ。


 最初は和気藹々(わきあいあい)としたゲームから始まって? 徐々にレートが吊り上がって、最後には俺を除く場の全員が結託して、俺から毟り取れるものを、毟り取れるだけ、毟り取る展開とかだったりしたなら……。


(有り……得るかも知れない)


 なにせ、この場には……槍試合で貴族を相手に、ありとあらゆる物を情け容赦無く、平気で巻き上げて見せたデズデモーナが居る。


 不吉な妄想に、カラカラに乾き始めた喉に唾を呑み込む。彼女の顔を見ると、目が合った彼女は、不思議そうな表情で少し、首を傾げて見せた。


「そうね……」ゲーム内容を決定したリュシルが、続けてレートを提示「単位は、銅貨で……1枚ずつにしましょ?」


(こ、ここから……レートが急騰したりした時には……なんとしてでも、尻尾を巻いて逃げ出さねば……)


 しかし、結果から述べると、ゲームはいわゆる健康マージャンなんかを――やや、不健康にした程度の、ささやかかつ、慎ましいゲームで終始。


 しかし、俺には――いつ、彼女たちが


「いやぁ~♬ 旦那様。お強いお強い♪ もしよければ……そろそろ、本腰を入れると言うことで、少し(かさ)む額を賭けて遊びませんか?」


 などと言い出すのではと、気が気ではなく。

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