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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
十九章:真面目過ぎる彼女

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賭博伝 ヒトトセ

 まるで、この悪魔を側に置く、俺に対する皮肉にも聞こえる言葉。


 悪魔は、俺の考えを直ぐに読み取るなり「さぁ~? それはどうでしょうね」と、とぼけてみせた。胡散臭さしか漂って来ない。


「ご主人様?」ここ最近のささやかな楽しみ、一人での散策を邪魔された上、不快な悪魔の(あざけ)りに付き合わされた俺は――悪魔が化けた老婆をその場に残して、屋敷へと戻った。




 * * *




 いつものように文句のつけようの無い、ネルが作る夕食を皆で摂った後で、屋敷をうろついていると、貴族の娘たち4人が、先日、現世で購入して来たトランプに興じる場に、ぱったりと鉢合わせ。


 壁際の(がん)の様なスペースに、持ち出された小さなテーブルに積み上がる捨て札。


 ゲーム内容は……ババ抜きだろうか? 相変わらずの死人の様な眼差しのピエレットが差し出す、扇状に広げられた手札を前にして……眉間に皺を寄せて、唸るデズデモーナ。


「……さ、流石は……ピエレット……表情から手札を読むことは……できそうにない……わね」


 そして、ままよ! とデズデモーナが手にした札は――彼女にとって、有難いものでは無かったらしい。


 テーブルに突っ伏して、崩れ落ちた彼女は、蚊の鳴く声。


「……お、お小遣い……稼ぐつもりでいた……のに……」

「――貴方もひとつ……如何だ?」


 アルシェノエルからのゲームのお誘い。そう言う気分でも無かったが……。夕食前に入浴を済ませる彼女たちの、湯上りの香りに囲まれると言う、わりと背徳的な誘惑には、なんだか少しだけ……いや、だいぶ抗いがたく――俺は、お言葉に甘えて同席させて貰うことにした。

 

 そんな俺の様子を察した様に――場所を空けると言うよりも、気色の悪い生き物から離れるかのような感じで、俺から席を離すリュシル。

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