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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
十八章:秘儀と黒い汚泥

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おしおき

「じゃあイープ……お仕置きを始めるぞ」


 怯えながらも、気丈に頷くイープの前にしゃがみ込むと俺は――彼女の腋と脇腹を指で激しく、くすぐり立てる。


「……んんっうぅっ?!」イープが身悶えして、何故か声も上げずに必死に堪え続ける。しかし、決して手を緩めること無く、数分。息も絶え絶えと言った感じで、荒い息を繰り返し、彼女はこの過酷な責めを耐え切ってみせた。


「幼い女の子を相手に……容赦も無しに……な……なんと言う……あたしの想像を遥かに超える……拗れた性癖っ?!」(性癖じゃねよボケ、ふざけんな)


 その場に転がるイープをそのままにして、別にこのゴブリンに魔術を伝えたことに対して、なんら思う所も無いことを告げるとアスタに訊ねる。


「で? この子。このゴブリン以外にも魔術を覚えることができた奴って居るのか?」


 俺の言葉に鞭打たれでもしたかの様に――姿勢を正したアスタの説明によると、魔術の素養があったのは、このゴブリンのみであったらしい。そもそも資質は兎も角、獣としての性が強いゴブリンが、魔術を身につけること自体が珍しいのだとか。


 説明を終え、顔色を窺うようにしてアスタが、お咎めについてを聞いて来たが、重ねて別に気にしていないことを告げると「そっスか」と、つまらない物を見る目で、そっけない返事。


(……で、あとはコイツだ)相変わらず皆の空気を察して、怯えた様に――シルシラに抱きつく、ゴブリンを見ながら考える。


 俺たちに何かをしでかすのは、まあ無理だとしても……。制御できない怪物になられても少々、困るんだよな……。とは言っても、こいつを頌の部族の皆と同じ様に……隷属させると言うのも――それも、ちょっと……。


 とりあえず俺は、このゴブリンの名前を聞くことにした。


「……黒イ……汚泥……デス……。火ノ……呪術師……シャマ…………」

(……なんつー名前だよ)

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