表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
十七章:血を吐く内政のターン

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

601/1638

トイレ休憩の無い高速みたいな

 俺が頼むと、いつもの軽い口調で請け負ってーー蜘蛛の下半身の前二対の第一脚を、獲物を捕らえる蜘蛛そのままと言った様子で、大釜の縁にかけ、乗り込んでいた魔術師の娘っこたちを、順番に地面に降ろしてくれた。


 屋敷に向かって顔を赤くして走り去るゲルダを「あらあら」と、スコラスチカは愉しそうな声を上げて見送る。そして、最後の搭乗者のアスタが降ろされると、大釜はゆっくりと地面に軟着陸。


「……格好良すぎて、一瞬で見えなくなったじゃねえか」


 残った2人に、呆れた声をかけると


 それでもヴィヴィは誇らしげに「せやろせやろ♪」と宣い、アスタは眼鏡のフレームを指先で、くいっと直し「……語りたいことは尽きません……が! ……あたしは、い……急ぎ……こ……この! 下腹部で渦巻く、力の奔流を解き放ちに……ほうにょ~ぉぉっ……に向かわねばなりま……せん! 御免!!」


 (……要らんこと言ってないで、とっとと行けよ)


 地上に降りた大釜をスコラスチカと一緒に物珍し気に観察する。ーー見て分かる範囲では、至って普通の鋳物の大釜でしか無い。


 昔、社会科の教科書に載っていた南部鉄器を思わせる味のある色合い。今の今まで、これが空に浮いていたと言うことは、信じられないことではあるものの


 小学校の頃、学校の図書館に置かれていたナウシカの原作に登場した――飛行甕(ひこうがめ)のイメージが、記憶の片隅に残っていたこともあって、さしたる違和感も無く、受け入れること自体は……まあ、できた。


「……で? これをどーすんの?」


 これを引っ張り出して来た理由を訊ね、ヴィヴィに顔を向けると彼女は、俺が初めてみる表情を浮かべ――足元に水溜まりをこさえて、たたずんで……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ