表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
十七章:血を吐く内政のターン

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

597/1638

チートな領地在り〼

 部屋とバルコニーを隔てる扉を閉め切っていたお陰で、ノックの音を聞き漏らしていたらしい。


 鍵が掛けられていなかった部屋の様子を――隙間から覗く様にして、おずおずと部屋に入って来た義妹が、バルコニーの扉を開いた。


 倍速モードの動画の音声を思わせる、陶片の娘たちの声が、激流となって押し寄せて来る。


「おにーちゃん? トーヴェちゃん見なかった?」


 妹の居場所を聞く、お姉ちゃん。


「……いんや。見て無いけど……どうした?」


 この子たちは感覚は、大体において共有されているらしいが……それが機能していないと言うことは――あの子も一体、どこで何をしているのやら。


 用件をなんとは無しに聞いてみれば――無いと不便であるからと、彼女が作った衛星を抱えて、妹に宙へと運んで貰うつもりなのだとか。


 颯爽と立ち去る彼女を見送った俺は、バルコニーで空を仰ぐ。


(人工衛星まで、浮かべんの?)




 * * *




「先日の無礼は、手前勝手にも……モノを知りもせぬ、小娘の戯言であったと何卒、ご容赦戴きたい……」


 屋敷の片隅の馬場にて。


 あちらの世界の技術で造られた、トウモロコシの澱粉で形成され――命中するなり、木っ端微塵に砕け散る馬上槍の具合を確かめる、彼女たちの様子を見に来た俺に、アルシェが貴族の礼法にのっとった謝罪を申し入れて来た。


「俺が……なにかをして見せた訳じゃあ……御座いませんことよ?」


 何度目かのチャージで、兜のスリットから入り込んだ、馬上槍の破片に塗れた、ポリカーボネイトのグラスを指で拭う、ピエレットを眺め、言葉を返す俺に、意地の悪いものでも感じたのか――アルシェは、少しだけ気を揉む様な仕草。


「いや、これっぽっちも皮肉では無くてね? 本当~に! なにもしていないから」


 そう、いつもの事ではあるけれど――思い返せば、こちらにやって来てからも、この俺が何かを成して見せたことなど、何ひとつも無いのだ。自分の不甲斐無さに、項垂れる

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ