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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
十七章:血を吐く内政のターン

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俺、只々見てるだけ

 ……おまけに図らずも密約を反故(ほご)する形になったと言うのに、法皇からは一切の苦情も何も寄せられなかった所をみると――デシレアと有栖川さんが、コンビを組んで裏で手を回したに違いない。間違いない。


 少し冷たくなってはいるけれど、ネルが持って来てくれた、お茶でも飲んで落ち着こうと――積み上がっている本を手に、口に運ぶ……落ち着けぇ……落ち着けぇ……俺。


 本でノドを潤せるほど人類は、まだ進化はしていない。夫婦湯呑(めおとゆのみ)を手に持ち直して、ぬるくなったお茶で一息。


 ――全然、一息つけない。


 ……あ、あの子。あの子の底知れ無さが、本当に怖い。


 龍としての力関係で言うなら、領域の外でも加減が利いて、比較的自在に力を振るえると言うトーヴェが事実上の序列では、2番目につけるとは聞いたけれど……。


 人間社会にガッチリ食い込んだ上で、龍としての力も躊躇い無く振るい、世界を回す彼女の怖さは――質が違う。


 ネルが、過去にやらかしたと言う出来事なんて、可愛らしいものにすら思える。


 ……まあ、俺とデシレアを結ぶ線を、法皇側が把握していないと言うことも……考えられないでも無い……けども。


 とは言っても、どれだけ箱が整い尽そうとも、中身が無ければお話にならない。人が集まり、営みが根付かないならば、これらはゴースト・マンションと、なんら変わりは無い。


 しかし、この点においても彼女らは、一切の妥協も手抜かりも無かった。


 バルコニーの外から、騎士の娘っ子たちの、年相応の愉し気な声が聞こえて来る。誰が言い始めたことであるかは、分からなかったが――この世界において、圧倒的人気を誇る槍試合を興行のメインとして、人集めのために催す腹であるらしい。


(そんなの……絶対、大喜びでみんな群がって来るに、決まってるじゃないか)

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