表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
十六章:身の処し方を考える

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

582/1638

火の呪術師? 誰?

 流石に排泄物の処理は、それなりに考えられてはいる様ではあったものの――辺りには黒いティンカー・ベルが、ぶんぶん飛び交い、魔法をかけて回ると言う……不衛生な環境での暮らしぶりには変わりは無い。


 釉薬(ゆうやく)もかけられていない素焼きの器に注いだ、村から与えられた狩りの獲物の、骨髄と芋のスープを彼らが貪るさまを――しばらく眺めていた。


 何匹かのゴブリンが、こちらの視線に気づいて声を上げる。仲間の皆に注意を促すような――驚いた感情の色が見える、ざわめき声。


 彼らの様子に内心、気後れするものを禁じえなかった。やっぱり、誰かが来てくれるまで話を聞くのは、()して置こうか……。


 そんな俺の胸の内を知りもせず、ゴブリンたちは頌の部族の村と、彼らの生活環境を隔てる囲いの際まで慌てた様子で駆け寄ると―― 一瞬、身構えてしまった俺の目の前で「火ノ呪術師様!!」と揃って膝をついて平伏。


「……は?」


「……オ、オレタチ、火ノ呪術師様ニ……マタ、オアイデキル……ノ、待ッテタ……ズット……待ッテタ……」




 ……どっきり?




 背後で俺の驚く様子を眺めて、ほくそ笑んでいる奴でも居るのかと、振り返ってみるが――そんな奴は当然、居る訳も無く。


「……ドカ……我ラ、蛆谷ノ一族ヲ……オ導キ……オ導キ、クラシャイ……」


 こいつらが何を言っているのか分からない。そもそも、お勉強こそしていた事はあっても……こいつらの言葉が、堪能に使いこなせる訳でも無い。何かヒアリング・ミスでもしているのでは、とも考えられる。カンガルーや、ミシンみたいな感じの……アレだ。


 なぜ、俺を火の呪術師と呼ぶのか? 情報を引き出そうと試みると。

 

「ア、貴方シャマ……ハ、アノ夜……我等ガ、隷属シタ、アノ夜。火ヲ操ッテ、我ラニ……チカラヲ……オシメシ……ニ、ナラレタ」


(ナニ言ってんだ? こいつら……)。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ