表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
十六章:身の処し方を考える

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

581/1638

ゴブリンず

 村は数名の若いオークが番に戻っているだけで、閑散としていた。


「……ツモイ。どうした?」俺の姿を目にした、一人が話しかけて来る。

(どうした? ……じゃねぇよ。昨日の晩は、散々……追いかけまわしてくれやがって)


 ……と、そんな苦情のひとつも延々と聞かせてやりたい所ではあったけれど、とりあえず俺は自分の用向きを片付けることに。「ゴブリンたちに、聞きたいことがあってさ? ちょっと良いか?」


 俺の用事の内容が、よほど興味の無い内容であったのか、木で組んだ粗末な牢を「好きにしろ」とでも言うかのように、顎で指す。


 番に戻ろうとする、そいつを含めた若いオークたちに、屋敷で酒盛りが始まってるから、行って来いと伝えると、持ち場を離れて良いものか、仲間と考え込んでいた様子ではあったが――我が家で提供される食事に興味が抑えきれなかったらしい。村の番を俺に任せると、皆で駆け出して行く。




 ――さて、と。




 ……俺は、バカなのか。なにを……必要も無い気を使って、あいつらを酒盛りに向かわせたというのか……。


 今からゴブリンたちと、お話するんですよ? 俺一人なことをつけ込まれて――ゴブリン共に襲い掛かられでもしたら……どーするって言うんだよ。


 自分の考え無しの言動に……膝を折って、項垂れそうになる。


 心行くまで自己嫌悪に浸ると、気を取り直し――久しぶりに、この村に足を運んだ理由を思い出して、用事を済ませることにした。


 今の俺は――あの時の俺とは違うのだと……自身の能力についての根拠もなにも無い、フラグめいたことを、必死に自分に言い聞かせ、彼らが閉じ込められた牢へと向かう。


 この時の俺も――どうしようもなく、どうかしていたに違いなかった。




 * * * 




 ゴブリンたちを閉じ込めていた檻は、以前とはだいぶ様子が異なり、檻と言うよりも囲い。その中に粗末な草葺(くさぶ)きのシェルターが設けられ、彼らは、(しょう)の部族に対して隷属して、労役を果たしながら、日々の暮らしを送っていることが伺えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ