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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
十六章:身の処し方を考える

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お風呂回 ブラック&ダーク

「あっせ臭っ……」


 一人先に屋敷に戻ると――玄関のホールでネルが出迎えてくれた。顔をしかめて開口一番に、随分なご挨拶。


「うああぁぁん! ネルぅ!」傷つくセリフのお返しとばかりに抱きつこうとすると、彼女は身を引いて必死の抵抗。


「ちょ?! や、やめなさい! 一晩中アタシのおっぱい使って、何をしてたのかと思えば?! トーヴェと一緒に寝てたのに変な声、出っ放しになりそうで、大変だったじゃない!」(……そう言う、システムなんで?)


 朝も早い内から、思う存分いちゃついた後で


 俺は部族の連中が、皆で風呂に入りに来るからと、入浴の支度を整えてくれる様、ネルに頼むと――皆を出迎えるべく、再び屋敷を出て領域の境へと向かうことにした。




 * * *



「……ぐうぅ……堪えられぬ」


 作法として教えた掛け湯を済ませると、湯船に浸かり、ハリバドラが声を漏らす。


 我が家の風呂も随分、むさ苦しくなったものだと思う。いつもは広すぎる様に感じる大浴場を見回して、最近のことをアレコレと話していた。


「村はどーよ?」

「……あらかた復興した。クィンヒルデと……魔剣の力が大きい」

「ゴブリンたちは? ああ~……」

「変わりない……ただ」

「あ~?」

「何故だか……おまえのことを良く……訊ねられはする」

「なんだそりゃ?」

「知らぬ」


 ゴブリンに気に入られることを、なにか俺がしただろうか? と、覚えの無いことに首を捻ってみるが――やはり、思い当たらない。


 ナアス蠅を扱う技術を持つ、あのゴブリンたちに興味を持たれると言うのは――そして、その理由に心当たりが、見当たらないと言うことは、不気味以外のなにものでもない。早い内に、問い質さなくてはならない気がする。

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