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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
十六章:身の処し方を考える

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自業自得とか言わないで?

 どの口で……と言う感じでしか無かったが、文句のひとつも言いたい所を、グッと我慢して――皆の傷をあらかた癒し終え、ボトルを手の中で弄ぶ。


 チーズのひとつを手に入れたハリバドラが、包みのまま匂いを嗅いでいた。その嬉しそうな様子から察するに、どうやら胡椒入りを引き当てたらしい。


「……おめでと」


 あまり祝福する気にもなれなかったが、形ばかりの祝いの言葉を――彼に。


「…………」


 その言葉に、思うことでもあったのか? 顎を撫でて、なにやら思案顔を見せる族長様――。


 どうしたのか様子を見守っていると彼は、俺に手に入れたチーズを投げ渡してくれた。


(縁起物だから……くれるってことか? それとも気に入らなかったから返すってか? ……だとしたら許さんぞ)


 彼のこの行動の意味が分からなかった俺は、しばらく考え込む羽目になったが、その行動は――全くもって、そんな類の意味を持つものでは無かった。


「胡椒入りのチーズは! ツモイが手にしているぞおおおぉぉぉっつ!!」


「なんだと?!」


 それは、キラーパスどころの話じゃあ無かったと言う。


 ……ああ、いや。動転してキラー・パスの使い方、間違えてら。




 * * *




 傷が癒えた連中が立ち上がり始める。


 首を鳴らしているとは思えないほど、恐ろし気な音を響かせる奴、

 拳を組んで鶏の骨を砕くかのような音を立てて指を鳴らす奴、

 

 起き上がった皆は取る行動は、それぞれでは……あったけれど――一様に、俺に向ける視線だけは嬉し気で……。


「……ツォンカパの秘蔵の弟子……相手をしてみたかったぞ」


「流石は、ハリバドラ。粋な真似をする……」

 

「ええ……っと、皆さん? ちょ……ちょっと……み、皆さん?」


 にじり寄る様に、歩を進めて来る彼らの迫力に後ずさる。

 

 これを計ってくれた若き族長さまに、ちらりと視線を向けると、笑みをひとつ浮かべて


「祭りなのだろう? 血のひとつも流さねば」


 まるで一緒に神輿でも担いで良い汗かこうぜ♪ みたいなノリで、そら恐ろしいことを言い放つ。

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