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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
十五章:大公領ザイツェ・アルカン

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国宝損壊

「そういった意味では……最大の悲しみは身近な人の死であるとされますが……、しかし「対象が失われる」とは死だけではなく、存在が遠くなる、つまり恋人との別れや……伴侶の単身赴任といったことや、大事にしていた物が壊れる、楽しみにしていた行事が無くなる……といったことも含まれることもあるのだ……とか。対象が失われる程度についても、悲しみの深さに大きく起因する事項とされますよね……も、もしや……こ、この感情が……悲しみの感情……」

 

 らしくもなく……ぶつぶつと、なにかを呟く悪魔―― 一体、これをどう表現したら良いのかと説いたげな、悩ましい表情で。自身に湧き上がる感情に整理をつけようとしているかのよう。


「えぇ~っと……アルパゴンさ……ん?」


 できる限りの媚び、たっぷりの表情を浮かべて、ご機嫌を窺ってみる。


「はぁ……ああ、もう……。一体全体、どうして下さるんですか……もぉう」




 * * *




 配下の悪魔さん方からの報告を聞くアルパゴンの目は虚ろで、大粒の涙でもこぼし始めそうな空気。この悪魔に涙を流すと言う行為が可能であるならば……の話ではあるけれど。

 

「……被害は……以上となります」


 俺は、顔から血の気を引かせた悪魔と言うのを初めて見ていた。それ以前に悪魔に血の気が、通っていると言うことに驚くべきところなのか?。


「デシレア……さん?」


 もはや魂の抜け殻とでも言うかの様なアルパゴン。観念したようにデシレアが口を開く。


「せ、性能は間違い無く向上してるから! 自信作だよ?!」


 ああ、なるほど……と、俺は思った。


 つまりは、いつもの彼女の「出来の悪い品が視界に存在すると、弄り倒さなくては気が済まない」と言う悪い癖が出た訳だ。


 顔を抑えて俯く、アルパゴン。


「……あのですね……デシレアさん」


 なんだか静かに怒っている様にも聞こえる声の響きに――流石の彼女も顔を強張らせる。


「な……なぁに?」

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