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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
十四章:白銀(はくぎん)

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コミュ力底辺のブルース 【Picture】

 先日までのこの地……と言うか、領域を襲った雷雨。これがトーヴェのもたらしたものと分かるや、ヴィルマの行動は早かった。


 偶然に由らないピエール・トネールの生産。

挿絵(By みてみん)

 一体全体、それが実際に何に役立つのかは、俺には分からなかったが――兎に角ヴィルマは、トーヴェを抱き込んでの生産体制を確立し、(しょう)の部族の村の採石場から運ばせた、石を次々と稲妻に打たせて大量生産を開始。


「アルパゴン~? 次じゃ。次の石を置くのじゃ」


 外に持ち出した椅子に腰掛け、超大作のメガホンを取る巨匠の風情でもって、悪魔を顎で使う褐色ロリ。トーヴェが落とす雷に合わせて悲鳴を上げ続けるネリッサ。頼まれてもいないのに彼女の豆腐メンタルを鍛えようと、フォーメーションを組んで逃亡を阻む、暇を持て余す魔術師共。


 騒がしい外の様子を耳にして、俺はチーズの世話を続け、昼を大きくまわった頃に作業を終えると小屋を出た。落雷が聞こえなくなったところをみると、外で行われていた何かも終わったのだろう。


「……に……に……にぃ……にぃに……にぃに……」


 いつの間にか傍らには、トーヴェが立っていた。恐ろしく稀薄な存在感。しかし謎の怪奇現象であれば兎も角、義妹(いもうと)であると、分かりさえすれば怯える理由も無い。


「どうした?」

 

 彼女はいつもの吃音(きつおん)を、しどろもどろとさせ――頬を朱に染めて、恥ずかし気に目を固く閉ざして黙り込む。


 ……本気で、この子とのコミュニケーションの構築をどうすれば良いのか分からない。

 まんじりともせず、彼女からの言葉を待っていると会話は、そこで終了。(…………)


 その場に彼女を残して、俺は再び小屋に戻ると――以前、花さんと小太郎に味見用にカットして、そのまま放置したままだった、ネルのおっぱいで造ったチーズの切れっ端を手に、彼女の元に戻った。

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