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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
十四章:白銀(はくぎん)

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終戦!

 ……だがな? おチビさん共。大の大人は、こう言う時の「やり様」と言うものを心得ているんだよ。席を立って――呆れたように、ひとつ小さく鼻を鳴らす、ネルを構うこともなく、トーヴェに近づく。


 めいめいで小さな口に、朝食を突っ込んで頬張るおチビさん方は、俺を察知すると、慌てて一斉に席を立って、ちっこい身体で、とおせんぼ。トーヴェを俺から守護る! と食堂の中に朝の教育番組の学級ドラマの光景を展開(一から十まで、予想通りなんだよ……)内心、ほくそ笑む俺――そして。


「ダン!」大きなテーブルの、まばらに空いた席に、勢い良く両手をつく俺に、周囲の皆が、何事かとこちらに顔を向けた「昨日は、スマンかったァーーーっ!?」


 朝の清々しい森の空気にも似た――清廉無比な(少なくとも表面的には)謝罪をキメて俺は、このおチビさん方の茶番を早々に決着させた。


「……に、に、に……にいたま……」なにかを伝えたいのか、もじもじし始めるトーヴェ「……ぺ……ぺ……ぺっ……ぺろ……ぺ……ぺ……ぺろぺろ……して……いい?」


「……ぺろぺろ、駄目」

「そ、そ、そ……そん……そんな……」 




 * * *




 背後に一定間隔で落ちる――雷を耳にしてのチーズの世話。


 定期的にブラシをかけて、表面に膜のように増殖したカビをこそぎ落とし、チーズが空気に触れるようにする、熟成を進める上で必要な作業ではあるのだが、これが手作業で行わなくてはならないため一苦労を強いられた。


 その日、何度目かの雷が落ち、その轟音に合わせてーーネリッサが上げる、絹を引き裂くような悲鳴が響き渡る(なにをやっているんだか……)


 ヴィルマの説明に依るならば、ヴードゥーにおいて雷に打たれた石には、生命を癒す不可思議な力が宿り、その稀少性からも「ピエール・トネール」と呼ばれる、お宝として珍重されるのだとか。

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