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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
十三章:紺碧のカリブ

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こいつには、何も期待できない

 そう言うことか……説明されて、ようやく理解。


「でも、ヴィルマお前……前にグリグリ? とか言う御守を俺にくれたことあったよな? アレ……おまえの抜けた乳歯とかが、入っていたんだろ? その話で行くと、危ないんじゃないのか? 良かったのかよ」


 俺のその言葉に、この口汚いお子様は、掛け値なしの――ヒマワリの様な笑顔を浮かべて見せた。


「勿論、良いのじゃ♪ なにせツガータもネルも、いつも美味しい物を食わせてくれるし、優しくしてくれるのじゃ。わしは、お主たち2人も屋敷のみんなも大好きじゃぞ♬」


 普段のこいつの口からは、思いもよらない言葉に――迫るものを胸に感じると「と、まぁツガータは、こう言う子供らしい、あざとくてキャッチーなセリフに弱いことも、だんだん分かって来たのじゃ♪ そのチョロさが、わしは大好きじゃぞ♬ つまり、あれを渡すのに相応しい親密さだと言うことなのじゃ」台無し過ぎる(さか)しいお言葉。感動しそうになった俺が、馬鹿だったわ……。


「どうでも良いけど、あの御守りな……効果なかったぞ?」


「有り得ん! 有り得んのじゃ!?」(おうおうおう。全力否定ですな)


 教会から『門』が据え付けられたホテルに向かう帰り道。早くもヴィルマは貰った箱の中身を確かめたくなって仕方無くなってしまったのか「お宝じゃろうか!?」そわそわした声を上げ始める。


(……やめろよ。こんな所で)


 ヴィルマの上げた「お宝」と言う言葉に何人かが、こちらを向いて目を光らせた気がした……が、この堪え性の無いお子様は、周囲の様子を気にするでも無く、茶筒の蓋を開ける様に蓋を引っこ抜いて、箱を開いてしまっていた。またトラブったら……どーすんだと。

 

 それは金細工の小さな神像に見えた。純金製に見える――小さな三角形のプレートの中央で手を組み、やや俯き加減に腰を曲げる、父なる神に祈りを捧げるキリストを象ったものの……よう?。

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