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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
十三章:紺碧のカリブ

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アルカナン!

 あの日、街に溢れかえった特産品たち。その後、メトレス・マリアが港湾労働者や、船乗りたちを教会に呼びつけて、厳しい尋問で教会1階のベッドにギシギシ悲鳴を上げさせ続け――証言を集めたことで、運搬会社を特定。しかし、既に出国済みの「マネージャー」と名乗る人物の姿が浮かび上がったのみで、ボコールを割り出すには至らなかった。


「……まぁ、正直な所。調べた所で相手が何者かを知ることができるとは、思ってはいなかったさ」


 連日の激しい尋問で、やつれさせられた容疑者の方々が、哀れでならない……。もっと他に尋問の仕方も、あったんじゃないのかと……。


「下らない騒ぎにバカンスを台無しにされたサムライは……運が無かったな」教会の建つ丘の上を拭き上げる潮風に、髪を押さえて彼女が微笑む「どうだ? 気分直しに私と、ひとつファックでも」


 呆れかえるばかりの尽きぬ性欲。流石に、ビビりますわ。


 彼女の申し出を――それは、もぉ~丁重に丁重に、ご遠慮申し上げると「そうか? 私が長年かけて編み出した奥義、3重反転パラダイス・ロストを味合わせてやろうと思ったのだが……敗北が知りたい」不満を滲ませる(……3重反転ってなんだよ……おっかねぇよ……)。


 それから彼女は、日本人の俺には理解しがたいことを口にした「……とは言え、相手のボコールのことも、(あの夜、襲撃して来た)男たちのことも悪く思わないでやって欲しい」と――。


 博愛主義的な意味合いの言葉だろうか? ……とも考えたが彼女の話を聞くと、どうやら違うらしい。


「私たちの教えには経典や教祖の様な……高みから何かを説く、高邁なものは存在しないが……人は――人の愚かしさの全てを認めて寄り添い、共に生きるべきだと思う。ユダヤの哲学にある二元論を私たちは否定する。ヴォドゥン(※ヴードゥーは英語読み)において、悪と善は鏡像に過ぎぬ故な。……人は、善と悪を等しく成さねば、ならぬのだ」

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