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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
十三章:紺碧のカリブ

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フラグ? ああ、ゴメン。折ったわ。

 急いで彼女に近づいて、抱きかかえて海面を目指す。海面に顔を出すと体内で膨れ上がっていた二酸化炭素を一気に吐き出して――俺は海面から首だけを出して、アザラシの様に海から上がれる場所を探すべく辺りを窺う。


 ヴィルマを抱え、ボラードから海中に垂れていたロープを掴む。着いたフジツボの殻に手を切りながら、港のコンクリート護岸の上に苦労して這い上がると、直ぐにヴィルマの口から海水を吐き出させる。


 むせて咳き込む様子に安堵。指輪からボトルを呼びだすと、彼女を癒してくれるようにーー頼んだ。ボトルは少しの間、戸惑う様な明滅を見せた後で、いつもの白い光で辺りを灯してくれた。




 * * *

 



「……あの……じゃな。ツガータよ」


 港に投げ捨てた危険な武器類をそのまま放置するのも、どうかと躊躇われたので、それらを拾い集めた後――言いたいことが、山ほどありそうな様子を隠しもせずにヴィルマが不満を漏らしていた。


「これを自分で言うのも……なんじゃがな? わしは……自分のこと……贔屓目に考えても美少女じゃと考えておるのじゃ……」


 肩から提げたM4にAK、ポンプガンにペチェ……。ベルトに突っ込んだ銃器をガチャつかせ、男たちの車内に残されていた、金属製の弾薬箱を手に歩く俺。


 ……身体が酷くダルい。男たちが乗り着けて来た車が使えれば良かったのだが――俺のお話にならない射撃のせいで、ラジエーターでも撃ちぬいてしまったのか、白い煙をモクモクと発して、恐ろしくて、とてもでは無いが運転する気は起きなかった。


 正直、ヴィルマの話なんて今は、まるで気にも留めてはいなかったが――それでも彼女にしてみれば、モノ申さずには済まなかったのだろう。


「その美少女のわしがじゃ。アグウェの使いに引き摺り込まれて……溺れて、息も止まっておったのじゃろ? なんでじゃ? 何故にお主は、わしにちゅーして人工呼吸をせん? 一大イベントのハズじゃ。普通、そこは何に目を瞑ってでも、何を削ってでも、人工呼吸で意識を取り戻させるシーンを差し挟むところじゃろう? なにをネルのおっぱいを使って、ズルしとるのじゃ……」

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