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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
十三章:紺碧のカリブ

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ゾンビのキュウリ 【Picture】

「わしがひとつ、猫の皮を被ったイノセントな声でも上げれば、誰一人として、それを仕込みとは思うまい……。世紀の決定的瞬間の完成と言う訳じゃ。さぁ、となりの友の顔を見るが良いのじゃ。それが明日、お主が口にするキュウリをひり出してくれる者の顔じゃ。今の内に礼のひとつも言っておくが良いのじゃ。ゾンビ・カダーブルになってからでは、礼どころか『あー、うー』しか口にできなくなるからの。良かったのぉ~♪ お主たちは、ネットの中で永遠に、語り草になり続けることができるのじゃ」


 男たちが口々に叫ぶ。


 それだけは! それだけは! ……笑っては……いけない。彼らからすれば、ゾンビ・カダーブルにされると言うのは極刑以上の恐怖らしいのだから。


 ちなみにヴィルマの言うキュウリ。


挿絵(By みてみん)


 これはコンコンブル・ゾンビ(ゾンビのキュウリ)とか言う、ゾンビ・カダーブルを作る際に使用される毒のある植物のことだと後で知った……が、――どうでも良いか。


 AKに弾を込め終わり、車内に転がっていたAKのマガジン5本を拾い上げ、ヴィルマの元に戻る。ペチェネグ……AKとマガジン共用できるとか優秀だな。


 マガジンを互い違いに2本ずつ結束バンドで固定する。ビニールテープでもあれば1番良かったけど、別にこれでも構いはしないだろう。そのまま尻ポケットに2本を突っ込む。


 東北の子供を脅かすナマハゲの様なヴィルマの脅迫。それを耳にしながら側で腰を降ろしていると、海から吹く風に生臭い匂いが混ざり――漂って来るのが感じられた。




 * * *




「……で、デッドマンズ……チェストかな?」


 海から現れたモノは、殻の直径が5メートルに達しそうなオウムガイ。


 とは言っても、こんなデカいオウムガイが存在するなんて話しは、聞いたことも無い。

 実物のオウムガイを見たことも無いし、詳しいことは分からないが――。

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