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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
十三章:紺碧のカリブ

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その絵面……地獄

(……にしても、あへ顔って表現も大概だけれど……ベビー・ドールに、チアコス、それにスク水……む、むごい) 


「スラムで……腹を空かせてた、ガキの俺を拾い上げて下さった……恩義に報いるため……なにが、なんでもボスを元に戻して貰うぞぉー!!」


 吠えるや否や、カルデロン・ファミリーの彼の声を合図に男たちは、撃鉄を起こした。




 * * *




 同時に見物客も参列者も散り散りになって逃げ出す。俺も傍らのヴィルマを抱きかかえ、港に置かれて積み上げられていた、H型鉄骨資材の影に滑り込む。


 脅しのつもりなのだろう、何発かが俺たちに向かって発砲される。


「出てきやがれえぇーっ! そして……さっさと、俺たちのボスを元に戻せぇーっ!!」


 心中はお察ししますけどね? ハイそうですかとヴィルマを渡す訳にはいかんのですよ旦那方……。


「これはいけない……」


 ヴィルマの口を借りてサムディ男爵が呟く――。


「どうしたんだ?」


 指輪からデシレアが以前作ってくれた、ちょっとしたテーブルの様なサイズの長方形の大盾を呼び出し、バリケード代わりに男たちが発砲して来る側に向ける。


「私をお招き下さった、この小さなレディが……今の音で目を覚ましたようだ」


 ヴィルマの身体が糸の切れた人形のように、ぐにゃりと崩れ落ちた。


 そして直ぐに普段の表情を取り戻すとーー


「げぇほっ! げほげほげほっ! おあぁあっ……。ノドが……イガイガするのじゃ……お口がヒリヒリするのじゃ! ツガータお水! お水が欲しいのじゃ!」


 状況分かってんのか? と言いたい所ではある……が、それを今日の彼女に言うのも酷な話に違いない。


 再度の銃撃。男たちの声が張り上げられる。


「さっさと出て来やがれぇ!」


 相手を確認するべく陶片をかざすと、


「ナイトショット・モぉ~ド♡」


 可愛らしい声と同時に、状況が映し出された。


 7人が手にしているのは……M4系列のなにかが1。それと……あれは……ペチェネグ? 形が似通っていて良く分からんが……兎に角それが1。ポンプガンが2。リボルバーが1、自動拳銃が2。

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