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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
三章:うろくづの森

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頌(しょう)の部族

 オークの言葉を耳にするや──俺は、一帯にこだまする元気な声で、帰りの挨拶をシタ! そして樺の枝を手早くまとめて、帰り支度を急ぐ(やばいやばいやばい! 関わると……また致命傷を負う!)


 オークをその場に残して、足早に立ち去ろうと背を向けた……時だった。


「…………うぅ……ぐっ……ぐふぃっ……うぐぅ」


 ──耳にしたが最後。予想もしなかったオークの嗚咽(おえつ)

(あぁ……もう。ホント聞きたくなかったわ、その声……)


 右手に嵌めた指輪に視線を落として。自分の手に余ることを自覚しつつも、担ぎ上げた焚き付けを足元に置くと、オークに静かに近づいた。

 



 * * * 




 オークの名前は、ツォンカパと言った。


 先程漏れさせた嗚咽は彼にとっても、やはり恥ずべきものだったらしい。その言い訳にあ~だ、こ~だと、たっぷりと四半時は費やしたあとで、彼の置かれている境遇について話してくれた。


 彼らの部族は、ネルの領域が在る『巣』の周辺に拡がる――曰く『この地の有力者を通じて彼女のために捧げられた土地』である処の『うろくづの森』に暮らしている「頌の部族」と言うのだとか。


 この森に住む動物は皆、体も大きく(……あ、ハイ。花さんと小太郎のお陰で良ぉ~く……、知っております)、数も多く、恵みも多く、この土地に暮らすことは、オークたちにとって、強者にのみ赦された栄誉であるらしかった。もっともネル自身が、それをわざわざ許可したといった話を聞いた覚えは──ついぞ、無かったが。


 ツォンカパの部族は、数百年程の昔。この地方一帯の、オークの諸部族を統一した、武闘派で知られる強力な部族で


 当然のように、彼らのステータスである処の、この森に暮らす権利を得るに至ってから……。ツォンカパの苦悩は、端を発する様で


 その理由は、ネルの存在に集約されると言ってしまって、良さそうだった……。

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