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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
一章:多分、これがプロローグ

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お猿さんの如く

 入居時にネット通販で買った、安いパイプベッドで微睡んでいると、お腹を空かせて目が覚めたのか──ネルは手を伸ばしてベッド脇をゴソゴソ探ると、アタリメのパックの残りを口に放り込んで、モグモグしていた(賞味期限……大丈夫……か。乾物だしな)


 ネルから漂う生臭いゲソのスメルを満喫して、ぼんやりと天井を見上げる。


「あ〜起こした?」


 気にする必要もないことを告げるべく、身体を起こすと 頬に、鼻をくっつける。


(凄いゾ。童貞時代には考えられなかった進歩だ。なんとゆー余裕だ)


 などとお粗末極まることを考えていると、こちらを見透かすような視線で、ネルからの「……もう20〜30回する?」お誘い。


 誘われるままに唇を重ねようとしたところで――ふと、我に返る。


 ……へっ? 待っ……て? に、20~30回だぞ? 何を俺は


「ヤレヤレ……仕方が無いな」


 ──みたいな感じで? ……身のほど知らずなイケメン風を吹かせて、イタすことを前提に、リブートさせようとしてるんだ? 俺の1日のセルフ・レコードの、数倍以上の回数だぞ?。


 てか……このところ……。


 ここ幾日かネルと過ごした、濃密過ぎる睦み合いを思い返す。


 俺は、何も食べていないどころか……水すら飲んでない……ぞ?


 この夏の日に──。




 * * *




 相変わらず俺が思ったことを、手に取るように把握できるのかネルは


 うつ伏せに寝転んで、口の端から、はみ出させたゲソを愉しそうにピコピコさせながら、こちらを見ている。


「……よし、こういう時はアレだ」


「セぇーーーーーーっクス☆」


「……うん、違うからね? ネルさん? ちょお〜っと違うよぉ? 今から、ちょっと……考えごとするから、少ぉ~し、静かにしててねぇ?」

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