内臓ズレちゃいそう
「これで少しは臭いが治まると良いんじゃがの……」
繭の様に教会を上から包む糸に当たる、雨の音に合わせて身体を揺らしていたヴィルマが、ポツリと漏らす。
教会周りの特産品たちは夕刻の少し前に、ほぼ片付いた。まだ街に少数は残ってはいるだろうが、それは大した問題にはならないに違いない。なにせ奴ら、何度かパイプを掴まれかけた感触から分かったが――力は強いが、どうしようもなく鈍い。
(くっくっくっ……しかし、臆病に定評がある春夏秋冬くんは、相手を舐めては かからないぜぇ?)
目の前に特産品が現れたなら、ヴィルマが教会の地下から引っ張り出して来た、AKー47と、メトレス・マリアのレイジング・ブルを借りて、丁寧に始末をつけて回る所存。
「ん? ヴィルマ? メトレス・マリアは、どこ行った?」
2階に上がったきり、メトレス・マリアが戻っていない。
「んー? 大方、ツガータが相手をしてくれんから拗ねて、自慢の……50CCのホンダみたいな、母なる大地を揺るがすパワーを秘めた、怖ろしい音のマシーンを突っ込んで、自家発電でもしておるんじゃろ?。気にするだけ無駄じゃ。ほっとくのじゃ」
ああ、そう……と、言った程度の話が返って来た。おい……。
けれども2階は静まり返っていた。これだけ古臭い建物……仮にそうだとしたら、音なり声なり聞こえないものか?。
「なんじゃ~? ツガータ? 溜まっておるのか? メトレス・マリアの自家発電が気になるようじゃのぉ? なんじゃったら、わしのお部屋に行くか? 電子音させてやるぞ♪」(するかボケ)。
スコールに降られて、やることも無い退屈しのぎに、この汚言症っぷりが相変わらずのロリに、俺がどれだけおっぱいを愛する、原理主義者であるかを説いて聞かせたい所ではあったが――環境が環境であれば捕まっちゃうのは間違いないので、そこはそれ。頑張ってグッと呑み込む。




