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パチンコと代わり映えしない、単調作業ではありますが

 糸でぐるぐる巻きにされた教会を、特産品共が破ることができないことは分かっていた。


 鉛筆の太さを成立させさえすれば、理論的には飛行中のジャンボジェットでさえ捕らえることが可能と目される彼女の糸。扉や壁を破ることが仮にできたとしても突破することなんて、できる訳も無い。


 あとは同じく現場から持って来させた、適当な太さと長さのパイプを削岩機を組み合わせて、先端にセリ矢をねじ込むようにセット。


 パイプを掴まれる危険を減らすため――とは言ってもコレは、特産品共の体液で濡れるパイプに必要かどうかは、甚だ疑問ではあったが。念のために定期的にパイプに油を伝わせて動作させた削岩機で、コンプレッサーの音に群がる特産品共を一方的に粉砕し続ける、簡単なお仕事。


 特産品共が知恵を持っていて、この教会にのみ集中したなら。火を使う知能があったなら無理に違い無かったけれども。8万の人口規模の島に、どれだけの数の死体を運び込んだのかは知れなかったが――奴らが集まり出すまでに、かなりの時間があったのだから、万は行かないハズ。


 教会の周りにヨタヨタ集まる奴らの頭を一時間に100ずつでも砕けば、今日の夕方か、明日の昼か夜には、流石に打ち止めになるに違いない。


「では、私はそろそろ、教会周りに積みあがった生ゴミを処理しに行きますね♪」


 工事用特殊車両を手足の如く使いこなす悪魔が、エプロンを脱ぐ。


 (凄いけど……ただただ、地味だな……お前)




 * * *




「いやぁ~熱帯特有のスコールという奴ですか。いささか重苦しく感じないではありませんが……これはこれで風情があるかも知れません。お~ぼえとこっと♪」


 自身のライフワークのひとつ。


 劇創作のためのネタ帳と化している向きもある手帳に、スコラスチカの糸で覆われた窓の外を眺め、なにかを万年筆で書き入れる悪魔。

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