炎天下で、おかしくなっちゃう
「ふっざけんな! なのじゃ! シマを(……島をでは無く? ヤクザのアレ的な?)好き勝手やってくれた礼儀知らずをぶっ飛ばしてやらねば、わしたちの腹は治まらんのじゃ!! のぉ!? メトレ……ス……」
「……東洋から、憐れなこの私を救いに来てくれた……サムライ。この場で男は、お前一人……もはや、私の教会も長くは保ちはするまい……人生最後の思い出を2階のベッドの中で……能書きはイイか。姦ってみれば解る。まァ付き合え。悪い様にはせん」
「メトレス・マリアァァーーーっつ!?」
師の素行不良に声をあげる、ヴィルマの珍しいポジション。本当にもう……この島は、不思議で一杯過ぎる。
良く響く、ヴィルマの声を聞いた特産品たちが、教会のドアを叩く音が強める。慌てて、自分の口を両手で塞ぐ彼女――。
「スコラスチカ……教会の補強は頼めるか?」領域の外にもかかわらず本日、糸を出しっ放しの彼女には申し訳無いが「干からびちゃいそう……だけど、最後にそれくらいならしてあげられるわよ?」彼女に、もうひと働きをお願いしてーー
この状況にもかかわらず腕に胸を押し付けるように(93センチのJカップと見た!)、しなをつくり嬌声をあげるメトレス・マリアと、片手で自分の口を押え、裾を引っ張り何事かを訴えかけてくるヴィルマに挟まれて――俺は、どうしたものかと頭を悩ませた。
* * *
「ブレイクぅ~♬ ブレイクぅ~♪ ぶぶぶぶぶ、ぶっぶぶぶぅブレイクぅ~♩」
口ずさみ始めたものの――歌詞が思い出せない歌を唄い、手にした削岩機を振り回し続ける。
「アっツい男のパイル・バンカーアァァ~っ♬ ア゛ア゛ア゛嗚呼ァァァーーーっ!!」
熱帯の陽気の元での単純作業――頭に被る日本語で安全第一と書かれた現場のヘルメットの隙間から汗が流れ続ける。不快指数とイライラはMAX。気がつけば削岩機ハイにもなって、シャウトのひとつも上げようと言うものだ。
「お疲れさまでした、ご主人様ァ~♪ お昼ごはんですよぉ」




