トトカルチョ
「――対する司祭は、邪悪なボコールの系統を汲む司祭では無いかと、噂される無名のニューフェイスですが、相手の得意分野にもかかわらず、現時点では一方的にメトレス・マリアの勢力を脅かし続けているように見えます『Oh……』。それを反映してトトカルチョのオッズは現時点でメトレス・マリアがおよそ3、ボコールの系譜が7『yeah~~~!!』となっております。ん~……正直、9対1くらいに成っていても……おかしくない……状況に思えますが……やはり、メトレス・マリア人気が高い! 存在自体が、エっロいですもんね。分かります分かります……メトレス・マリアァー! 僕も食べてぇーーッ!! 愛してるぅーーっ!!」
ヴィルマが向ける画面に指を差し動画を閉じる。
「もう良いのか? どうじゃ♪ 面白いじゃろ? 凄いじゃろ♬」
眩暈を覚えて俺は顔を押さえて俯いていた――そうだね。そうだった。確かこの島って、財源にと期待されてオンライン・カジノを整備してたら、世界各国から怒られたことがあるって、旅行情報か何かで紹介されてたよね。それを島民、みんなで仲良くアングラで有効活用してる訳だね。ああ、もぉう……。
「……ヴィルマ」
「な・ん・じ・ゃ?」
「お前たちが心配で迎えに来たけどもさ……なんかね……もお……さ? スコラスチカと一緒に俺、帰ってイイ?」
* * *
「さ、どんどん集まって来ましたよ? ご主人様♬」
ホテルと教会を結ぶ、しおり糸を補強して造り上げた――高強度ではあるが、細すぎる橋を渡ってアルパゴンが合流してきた。
既にもう、状況が分かったのだから、2人を連れてホテルへと向かい、あちらへと飛べば目的は達成となる状況な訳ではあるが――




