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慣れっこ♡

 俺の言葉を聞くと銃口は俺に向けたまま、彼女は顔だけを覗かせる様にして――、部屋の中を静かに窺う。


 にこやかな笑みを浮かべ手を振るスコラスチカと、メトレス・マリアがお互いに目を合わせる。しばらく、考え込んで――彼女はようやく銃口を俺から外してくれた。


「女の部屋に、別の女を連れ込むとは……ダメな奴。……大好き」


 妖艶に微笑む彼女。この状況下で、この余裕……。オカシイのか、只者じゃないのか。


 階下から駆け上がって来る、聞き覚えのある歩幅の足音――


「メトレス・マリア! 騎兵隊の到着じゃ! くたばり損ないの腐れはドコじゃ!」


 廊下に飛び出す様に姿を見せたヴィルマは――昔、観た映画の少年兵の様にAKー47を、抱えてやって来た。


(……ブルータスや? お前も?)




 * * *




 階下の食堂に腹拵えに降り、遅い昼食がてらに情報を擦り合わせる。と言っても、こちらが提供する情報に、彼女たちに有用なものは無かった様だったが。


「……のお? メトレス・マリア。いい加減……このやたら辛いばかりの※テクス・メクスは、どーにかならんのか? 愛らしい、わしの……繊細な舌がバカになったら、どーする気なのじゃ?」


 ※テキサス、メキシコ折衷料理の総称です


 文句を垂れつつ、いつも通りに、目の前の食料をーー生存競争を強いられている野生動物のように、口一杯にパンパンに詰め込むヴィルマを置いて、この教会の主の話を聞く。


「て、ことは……表のあいつらって……別にこの島の住人が、ああ成った訳じゃ無いんだ?」


 信じられないお話。メトレス・マリアの話と、その場に居るヴィルマの反応によると、この島の住人は、ああして湧く特産品共には慣れているらしく、大量発生した際には「なんだ……またか」程度のノリで家に篭って、やり過ごすのだとか。

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