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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
十三章:紺碧のカリブ

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滞在費……おいくら万円?

 流石に、このグレードのディナークルーズで、それは無いだろうと畏れ多く――辺りには聞こえない様にネルの耳に口を寄せる。


「……さっきまで、この船に居なかったハズなんだけど……魔術師が居るみたい? どうやって乗ってきたのかしら。『門』が開いた様にも感じなかったけど」


「魔術師?」


 魔術師と聞いて初めに頭に浮かんだのは――騒々しい我が家の娘っ子ども。


(『※自分たちだけで旨い物とか、ズぅルいでぇーっ!』)


 ※プライバシー保護のため、画像と音声を編集しております。


(まさか、あいつらが……なんらかの方法で、このディナー会場に乗り込んで来たと?)


 恥も外聞も関係無く、目につく食料をタッパーか、折り詰めに詰め込み、食い散らしに掛かる連中の姿が、脳裏に湧く。……お、恐ろしい。


 折角、ネルと2人っきりの夜。台無しにされることは、何としてでも避けたい。

 

 けれども、当然のことではあるけれど、乗り込んで来た魔術師は、あいつらと言う訳では無く、別口のお客さんのよう。


 お陰で、船は無事に港に着くと、静かに(もや)いを放った。




 * * *




 陶片に入っていた店長からのメール。内容は、一足先に帰国するとの知らせ。先日のチケットの礼に、ネルが電話をかけると漏れ聞こえてくる声は、店長も奥さんも本当に嬉しそう。電話に加われない俺は「密かに俺の悪口で盛り上がっているに違いない」と、統失めいた被害者意識に駆られていたのは秘密。その秘密が駄々洩れに違いないのは、どうしようも無いが……。


 あれから更に数日――俺たちは「良いのだろうか?」と思いつつも、屋敷の人間、ほぼ全員で(スコラスチカは、いつも通りのお留守番)ホテルに滞在し続けていた。


 宿泊費……支払うとなれば一体、いくらになるのか考えるだけで怖い。


 鏡台の前に座らされて、ネルに髪を弄られていたイープに、最近姿を見せないヴィルマの様子を聞いてみると毎日、朝早くにメトレス・マリアの元を訪ねているらしい。

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