表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
十三章:紺碧のカリブ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

475/1638

有栖川影久の涙

 屋敷の住人全てを連れての、まるで大名行列の様な仰々しさ。しかし、このホテルの従業員たちは、俺たちが撒き散らす高負荷を淡々と、捌き続けて見せていた。流石は、5つ星ホテルと言う訳なのだろう。毎度、毎度、身につまされて感じる、分不相応感が半端無い。


「――、魔素の瓶14本、マギアタイト鉱石18キロ、愚者の石板1面、魔導書3冊……以上が、アルパゴン氏よりの贈答品の内容となります。危険性のありそうなものは魔導書くらいでしょうか? 内容については、お嬢様もあまり明るくない御様子でして……と申しますか、ご興味が無い分野であるらしく……これにつきましてはオーサ様に、お訊ねになられるのが、確実かと思われます」


 カリブの明るい光が差す部屋の中で、いつもと装いを変えた、アロハとバミューダ姿の有栖川さんが、以前に鑑定をお願いしておいた品々の目録を読み上げてくれた。


「すいません。お手数お掛けして」


「仕える」とか言っておいて、この地に着くなり、ちょくちょく姿を消すバカ悪魔に代わって、世話を焼いてくれる有栖川さんに申し訳無さで一杯。


「…………、――、…………、」(……?)


 珍しく、有栖川さんが言い渋るような表情を見せた気がした――。


「……えぇっと。どうか……なさいました?」

 

 普段とは異なる彼の様子に、どう声をかけたものかと迷い……整った顔を窺う。すると彼は余程、伝え難いことを口にするような様子で言葉少なげに


「……申し……申し訳……ございません」彼の口から絞り出される言葉とは思いもしなかった謝罪の言葉「……当ホテル、ガルフ イン&スゥイーツ エスメラルダにおきまして……皆様の……水着イベントは……御用意できません……でした……ううぅ!」


「……はっ? え?」


 口元を押さえて嗚咽する、有栖川さんの涼し気な目元には、大粒の涙が光っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ