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病み上がりには、とっても重たいの……

 このあつい、あつ~い師弟の会話に分け入ることもできず、俺はただ立ち尽くすしか無かった――てか、女同士の猥談って男にとっては致死量って言うよね? 女子高で飛び交う猥談を耳にした男は、憧れも煩悩も消し飛ぶって聞くよね?。


 俺……百千万億(つもいひがた) 春夏秋冬(ひととせ)。既に、こいつらの会話を耳にしたお陰で屍。シルウェストリスとザイツェ・アルカンで90年近く、人生を重ねた俺に、これほどのダメージを与えるとは……。


 こいつら……やるじゃない?。


 いや……体感で数十年、人との関りを断っていた俺には、彼女たちのやり取りが、厳し過ぎる様に感じられるだけなのかも知れないけれども。こう見えて社会復帰のリハビリ中なのよ俺?。


「ツガータじゃ♪ エルズュリ・フレイダのお導きで出会った、わしが初めてのファッ(電子音~~~~~~~!)する予定の相手じゃ♬」


「……なんと」驚いた顔でメトレス・マリアが品定めするように俺を見る「ヴィルマ? 『コレ』少し借りて良いか? 試食してみたい。美味しそう……」


 俺を『コレ』呼ばわりして指差すマリアさん。見つめる瞳が怪し気に潤む。


「……それは、構わんのじゃが。ツガータに跨る順番は……結構、待たねばならんぞ? とりあえず……わしか、ウルのあとにしては貰えんかの? 初夜も、まだの内からメトレス・マリアにぶっ壊されても堪らんのじゃ」(俺の意志っつ!)


 弟子の言葉を耳にすると、メトレス・マリアは愉し気な笑い声を礼拝堂に響かせていた「流石は我が弟子! 愛らしいヴィルマ! そのサムライに跨るために、お前の言う通り、大人しく順番を待たせて貰うことにしよう!」


 恩師の享楽っぷりに小生意気に溜息を吐く弟子。本当にこの師匠にこの弟子有りと言った感じ「そんなことよりもじゃ……どう言うことなのじゃ? ニュースを目にして、わしは驚いて……居ても立ってもいられなかったのじゃ。大慌てで、こちらに帰って来る羽目になってしまったのじゃぞ……ああ、あと。旅費。全然足りなかったのじゃ。危うく異邦の地で、ホームレスを満喫する羽目になるところじゃったぞ……」

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