王国名家の血筋が……ひとところに 【Picture】
それまで、お下がりの甲冑を仕立て直した物を身に着けていたというキーラが、説明を耳にして、顔に浮かぶ、そばかすを綻ばせ――アヒルか鴨のくちばしを連想させる可愛らしい口で、驚きの中に喜びを忍ばせて声を漏らす。
「それもだけど……この馬上槍も……なに? この軽さ……」
細身ではあるが試合で用いていた槍以上に長い槍を手にして、その重量に驚いた声を上げる――デズデモーナと同格の家柄の生まれと聞く彼女。
先端から緩やかに樋(フラー)が、馬上槍の肌の上を螺旋を描いて流れ、オリハルコンとモリブデンを添加して合金化したと言う穂先――槍の身の中段、手元付近と、互い違いに、金切り声をあげて回転を始める、いわゆるドリルの様な動作をする得物を手に、怯えた様な表情を浮かべる。
「な、なにコレ!」
互い違いに異なる長さと速度で回転する理由は――ジャイロ効果とやらで、持ち手から槍の穂先に向けて、円錐状の軌跡を描かない様に安定させるための工夫だろうか? 詳しくは無いので良くは分からないが。あとは見た目、そのままに穿孔力を向上させ貫通力を向上させる……と、いったところか?。
唸る槍から仰け反るように身体を遠ざけようとする彼女は……ネリッサと言ったか?。
(ネルのお陰で……家の人間が増えるたびに名前を憶えなきゃならん。横文字の長い名前は呼ぶのも大変なんだってのによ……)
彼女にしてみれば謂われもない文句に違いない。そんなことを密かに考えていると、皆の間を巡り、作品の具合を見て回っていたデシレアの声が聞こえてくる。
「怖いよねぇ~? でも人間を至る所、追い駆けて来る死というものは……恐ろしい唸り声を上げるものらしいよ?」
7,2mある馬上槍……描くのも大変ですけど……。
(収まりきらない)
みてみんの3MB制限に泣かされています
( ;∀;)
……画像だいぶ潰れてる。




