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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
三章:うろくづの森

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へばりつく俺

 ――後日――


「……ちょっと」


「ふっすぅ……ふすぅ~……」


「動きにくいんだけど」


「ふすぅ……俺は、お前に甘える権利を行使する……ふっすぅ~」


「あぁぁ……もう。なんでアンタって奴は……」


 いかついオークの道案内で、身の安全も保障されないまま森を歩く、心細さと恐ろしさを味わった俺は──その後、しばらくの間、牡蠣(かき)の如く、ネルにひっついて回るようになっていた。

 

 そして恐怖を忘れるため、不安から逃れるためから、夜にはネルの睡眠を妨げるほど、何度も、何度も、その胸に顔をうずめて、幼児退行したかの様に、おっぱいを求めていた……らしい。そして、当然の如く。鏡に映る俺の容姿は、再び10代のそれに戻ってしまっていた。元の木阿弥。


「──確かに、一緒に暮らしていて……、ほったらかしにされたことに対して……腹を立てたこともありました……」

 

 背後からガッチリ、腰に腕を回され俺にしがみつかれたネルが──背中に顔をうずめられ、前かがみのしんどそうな体勢のまま呟く。


「ふっすぅ……もう絶対に……そんなことしないよ……ネル。すこ~っ」


「だからって、極端過ぎるでしょ! どーしてアンタは、簡単に左から右に針が振り切れるのよ?! 真ん中は無いの!? 真ん中は?!」


「ナイね!(断言) ふすぅ~っ……」


「あぁぁ……もう、背中が蒸れる、べたべたする……」


「オマエ、イツモ……トテモ、イイニオイ……オレ、スゴク落チ着ク……シアワセ」


「分かったから! イイ加減、離れなさいよ! 洗濯物が溜まってんのよ! そもそも、森で会ったオークさんは、親切に道案内してくれただけなんでしょ!?」


「……オ、オ、オ、オーク?(ガクガクガクガク)」


「……あぁ……ハイハイ。ゴメンねぇ? コワイコワイだったわねぇ? ここには、オークさん居ないからねぇ~? 大丈夫だからねぇ?」


「ぴゃろ§#@☆! テロテ‰*!! &$€ッツぱぁあ!! オアァ……」


「あぁ……もぉ、あぁ……もぉ。どうすれば良いのよ……本当にもう……」

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