表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
十二章:馬上槍の七人

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

454/1638

お前らに躾なんて出来ないしなぁ

 タイミングが悪いのは間違い無い。ネルに対して湧いた疑念を、この場で追及することを不承不承に諦めざるを得ない俺に、彼女は――。


「さっすが♬ アタシのつがい♪」


 勝ち誇ったかのように――場の空気を汲み取るしか無かった俺の差配に、無闇矢鱈と過分な賛辞。


 そのやり取りを目にして、意味は分からないながらも、俺たちの間柄の善さを揶揄する声を、小さく上げるデズデモーナたち。


 その囃し立てるかの様な声に、まんざらでもない反応を示すネルの様子を目にしつつ――俺は、どうしようもなく……不穏なものを感じていた。




 * * *




 デズデモーナたちが国元へと帰る、その日。

 俺は一足早く、外で彼女たちが姿を現すのを待っていた。


「くぅ~……」


「分かってる! やるから!? あげるから! がっつくんじゃない!」


 手持ち無沙汰の慰みに、倉庫から持って来たネルのおっぱいで作ったチーズ。


 そろそろ熟成も進んだのではと、カットした小さな一塊を手にして小屋を出た所で、小太郎と花さんに見つかってしまい――よこせ、よこせと、鼻にかけた甘え声で、ジャレつかれていた。


 いつの間に与えられたのか、2頭はデシレアが作った物と思われる……首輪では無く、首飾りと腕飾りを与えられていた。いずれも大変凝った組み方のチェーンで、かなり高価な物の様に思えた。


「あ~っ! はいはいはいはい?!」


 甘える2頭の巨大すぎる熊の鼻先を押し退けて、拝借して来たおやぢの私物。ウェンガーのアーミー・ナイフをポケットから取り出し、ブレードを開いて小さく、薄く。チーズを削って、手で小太郎の鼻先に差し出す。


 手首ごと持って行かれるかと思うほどの勢いで、小太郎は差し出されたチーズの欠片を旨そうに、あっという間に平らげ、お代わりを要求して来る。


「待ってろ! 待ってろって! 次は、おめぇのかーちゃん! かーちゃんから先! 危ないから! 危ないから!?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ